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セキュリティ対策の費用はどう考えるか。被害の大きさと、月々の見守りから決める予算

執筆:ミネルバ編集部

セキュリティ対策にいくらかければよいのか。はっきりした正解はありませんが、考える手がかりはあります。IPA(情報処理推進機構)の調査で分かった被害の大きさ、費用の分け方、公的な見守りサービスの価格の目安、補助金の仕組みをもとに、自社の予算を決める順番を整理します。

01対策にお金をかけていない会社は6割を超える

IPAが2024年度に中小企業4,191社から回答を得た調査では、直近の3期に情報セキュリティ対策への投資をしていない会社が62.6%ありました。機器や社員への教育も含めた投資の有無を聞いたもので、前回の調査より増えています。

投資しなかった理由で多かったのは、「必要性を感じていない」が44.3%、「費用対効果が見えない」が24.2%、「コストがかかりすぎる」が21.7%でした。いくらかければよいか分からないまま、後回しになっている会社が多いことがうかがえます。この記事では、その「分からない」を少しずつほどいていきます。

02まず、被害にかかる費用の大きさを知る

同じ調査では、過去3期に起きたサイバー攻撃などの被害額は、平均で73万円でした。100万円以上の被害があった会社は9.4%で、最も大きいものは1億円です。元に戻るまでにかかった期間は平均5.8日で、50日以上かかった会社も2.1%ありました。

見落としやすいのは、お金の外に出る影響です。被害に遭った会社の約7割が、取引先にも影響が出たと答えています。サービスの停止や遅れ、補償の負担、原因の調査や復旧にかかる人件費などです。対策の費用は、こうした「止まったときの損失」と比べて考えると、判断しやすくなります。

03費用は3つに分けて考える

セキュリティの費用は、大きく3つに分けると見通しがよくなります。1つ目は、最初に一度かかる費用です。UTM(社内ネットワークの出入口で通信を見張る機器)やウイルス対策ソフトの購入、設置の作業などがこれにあたります。

2つ目は、毎月や毎年かかる費用です。ソフトの利用料、機器の保守、異常がないかを見守ってもらうサービスなどです。機器は入れて終わりではなく、更新を続けてはじめて役に立ちます。3つ目は、社内の人の時間です。パスワードの決まりを作る、社員に注意点を伝える、バックアップから戻せるか試す。お金はあまりかからなくても、誰かの手間がかかります。予算を考えるときは、1つ目だけでなく、2つ目と3つ目を何年続けられるかを先に見ておくと、無理のない計画になります。

04月々の見守りには、公的な価格の目安がある

月々の費用の目安として参考になるのが、経済産業省とIPAが進める「サイバーセキュリティお助け隊サービス」です。中小企業向けに、相談窓口、異常の監視、困ったときの駆け付け、簡易なサイバー保険をひとまとめにしたサービスで、IPAが定めた基準を満たしたものが登録されています。

公開されている基準(2.1版)では、通信の出入口を見張る型は月額1万円(税抜き)以下、パソコンなどを1台ずつ見張る型は1台あたり月額2,000円(税抜き)以下と決められています。初期費用の上限や、最低の契約期間を2年以内とすることも定められています(2026年10月時点)。すべての会社に合うとは限りませんが、「見守りにかかる費用はこのくらいから」という目安として使えます。

05補助金を調べ、かけすぎないことも大切に

国の補助金にも、セキュリティの枠があります。中小企業庁の資料によれば、2026年度の「デジタル化・AI導入補助金」のセキュリティ対策推進枠では、お助け隊サービスの一覧に載ったサービスのうち、事務局に登録されたものの利用料を最大2年分まで支援します。補助の割合や申し込みの時期は公募ごとに変わるため、最新の公募要領で確かめてください。

反対に、必要以上の機器を入れることも避けたいところです。従業員が数人で、社内に大切なデータをあまり置いていない会社なら、パソコンの更新とバックアップ、パスワードの見直しから始めるだけでも十分なことがあります。何を守りたいのか、止まると困る業務は何かを先に書き出し、その順に費用を割り当てていくと、予算に納得がしやすくなります。税金や補助金の細かな扱いは、専門家や支援機関にご相談ください。

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