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UTMとは何か。ファイアウォールやウイルス対策ソフトとの違いを整理する

セキュリティ対策を調べていると、UTMという言葉をよく目にします。ファイアウォールやウイルス対策ソフトとは何が違うのか、自社にも必要なのか。役割の違いと、導入の前に確かめておきたいことを順に整理します。

01UTMは、社内ネットワークの出入口に置く見張り役

UTMは「統合脅威管理」の略で、社内のネットワークとインターネットのあいだに置く機器です。社内に入ってくる通信と、外へ出ていく通信を、1台でまとめて見張ります。

1台の中に、いくつかの守りの機能が入っています。代表的なのは、不要な通信を通さないファイアウォール、不正な侵入を見つけて止める仕組み、ウイルスや迷惑メールの検査、危険なWebサイトへのアクセスを止める機能です。これまで別々の機器やソフトで行っていた対策を、ひとつにまとめたものと考えると分かりやすいでしょう。

02ファイアウォールとの違い

ファイアウォールは、通信の宛先や種類を見て、通してよいかどうかを決める仕組みです。決められた条件に合わない通信を止めるのが主な役割で、許可された通信の中身までは基本的に調べません。UTMはこのファイアウォールの機能を含んだうえで、通信の中にウイルスが紛れていないか、怪しい振る舞いがないかまで確かめます。ファイアウォールが門の開け閉めを担うとすれば、UTMは門番に荷物の検査の役目も加えたものといえます。

03ウイルス対策ソフトとの違い

ウイルス対策ソフトは、パソコン1台ごとに入れて、その中を守るものです。一方、UTMはネットワークの出入口で、社内のすべての機器に届く前の通信を確かめます。守る場所が違うため、どちらか一方があれば十分というものではありません。たとえば、社員が持ち込んだUSBメモリからの感染は出入口を通らないので、UTMでは防げません。反対に、ウイルス対策ソフトを入れにくい複合機やネットワークカメラなどは、出入口で守るほうが向いています。

04自社に必要かどうかの目安

UTMが役に立ちやすいのは、社内で複数の人がパソコンを使い、共有のファイルや業務の仕組みが社内のネットワークにつながっている会社です。ネットワークカメラや複合機など、ウイルス対策ソフトを入れられない機器が多い場合も、出入口でまとめて守る意味が大きくなります。一方で、社員が1〜2名で、仕事のほとんどをクラウドのサービスで行っている場合は、パソコンごとの対策と設定の見直しを優先したほうがよいこともあります。会社の規模や使い方によって、答えは変わります。

05導入の前に確かめておきたいこと

UTMは便利な反面、守りの機能が1台に集まります。機器が故障すると、社内のインターネットが止まることがあるため、故障したときにどのくらいの時間で交換や復旧ができるかを、導入の前に確かめておくと安心です。また、すべての通信を検査するため、社員の人数や通信の量に対して性能が足りないと、インターネットが遅く感じられることがあります。

もうひとつは、使い続けるための費用です。ウイルスの情報を新しく保つためのライセンスは、多くの製品で年ごとの更新が必要です。機器代だけでなく、更新費や保守の費用まで含めて比べることをおすすめします。情報処理推進機構(IPA)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月公開)でも、外部から内部ネットワークへの不要な通信を遮断することが、確かめておきたい項目として挙げられています。自社の今の状況を確かめるところから始めてみてください。

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