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AIを業務に取り入れるとき、どのサービスや機器を選ぶかから考え始めがちです。けれども、先に決めておきたいのは「AIに何をさせるか」です。そこが決まると、選ぶ道具も、守るべき決まりも見えてきます。公的な調査と国の手引きをもとに、最初に決めておきたいことを整理しました。
01AIを使う会社は増え、方針づくりも進んでいる
総務省の令和8年版情報通信白書によると、2025年度の企業向け調査で、生成AI(文章や画像を作るAI)を「積極的に活用する」または「領域を限定して活用する」方針だと答えた日本の企業は68.9%でした。前年度の49.7%から大きく増えています。
企業の規模別に見ると、大企業は74.0%、中小企業は58.1%です。中小企業の伸びが特に大きいとされています。使うかどうかを迷う段階から、どう使うかを決める段階に移りつつあると言えます。
02いま多く使われているのは、身近な文章の仕事
同じ白書では、日本で生成AIの活用率がもっとも高い業務は、議事録やメールの作成の補助で、約7割でした。効果を感じていると答えた割合も、この業務が約7割と、ほかの業務より目立って高い結果です。
これは、AIに任せる範囲がはっきりしていて、出来上がったものを人がすぐに確かめられる仕事だからだと考えられます。反対に、「とりあえず社員に使わせてみる」だけでは、何に使えばよいか分からず、使われなくなることもあります。
03最初に決めておきたい3つのこと
1つ目は、任せる作業です。「会議の録音から議事録の下書きを作る」「社内規程の中から該当する箇所を探す」のように、一文で言えるくらいに具体的にします。ひとつの作業から始めるほうが、効果も確かめやすくなります。作業の前後でかかった時間を比べられるようにしておくと、続けるかどうかの判断にも役立ちます。
2つ目は、AIに入れてよい情報と、入れない情報です。顧客の個人情報や、取引先との契約内容、技術の情報などをどう扱うかを先に決めます。3つ目は、AIの答えを最後に誰が確かめるかです。AIの答えは間違っていることもあるため、人が見てから使う流れを決めておきます。確かめる人と手順が決まっていれば、AIを使うことへの社内の不安も小さくなります。
04国の手引きも、使う側の心がけを示している
総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、AIを業務で使う会社にも求められる事項をまとめています。第1.1版(2025年3月)では、提供する会社が想定している使い方で利用すること、AIの答えをそのまま信じず人の判断を挟むこと、個人情報を不適切に入力しないことなどが挙げられています。
このガイドラインは改訂が続いており、2026年10月時点では2026年3月公表の第1.2版が最新です。どれも「何に使うか」が決まっていてこそ、具体的な社内の決まりにできる内容です。法律に関わる判断が必要な場合は、専門家にご相談ください。
05させることが決まると、道具の選び方も決まる
任せる作業と扱う情報が決まると、クラウドのAIサービスで足りるのか、社内でAIを動かす仕組みが要るのかも判断しやすくなります。社外に出せない情報を扱わないのであれば、法人向けのクラウドのサービスで十分な場合も多くあります。
最初から完璧な計画を作る必要はありません。ひとつの作業で試し、使われ方と効果を見ながら、任せる範囲や決まりを少しずつ見直していくのが、無理のない進め方です。試したうえで、AIに向いていないと分かった作業は、無理に続けずに元のやり方に戻すことも大切な判断です。
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