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法人向けクラウドAIの「学習に使わない」とは。規約で確かめたい4つのこと

執筆:ミネルバ編集部

社外のAIサービスに社内の文章を入れるとき、「入れた内容がAIの学習に使われないか」は気になるところです。法人向けのサービスの多くは、学習に使わないと案内しています。個人情報保護委員会や各社の公開資料をもとに、その意味と、契約や設定で確かめておきたいことを整理します。

01「学習に使う」とはどういうことか

AIの会社は、利用者が入力した文章やAIの答えを集めて、次のAIをより良くするための材料にすることがあります。これを「学習に使う」と言います。学習に使われた内容は、AIの中に溶け込むように取り込まれ、あとから一部だけを取り出して消すことが難しくなります。

個人情報保護委員会は、2023年6月に出した生成AIサービスの利用に関する注意喚起で、事業者が個人データを含む文章をAIに入力する場合は、サービスを提供する会社がその個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確かめるよう求めています。社内の資料や取引先の情報も、同じように扱いに気をつけたいものです。

02法人向けと個人向けでは、初めの設定が違うことがある

同じ会社のAIでも、法人向けと個人向けで扱いが分かれていることがあります。たとえばOpenAIは、ChatGPTの法人向けの契約(Business、Enterpriseなど)やAPI(ほかのシステムからAIを呼び出す仕組み)について、会社のデータを初めの設定では学習に使わないと案内しています(2026年10月時点)。

一方、個人向けのChatGPTでは、設定の「データコントロール」にある、モデルの改善に協力するかどうかの項目(英語の画面では「Improve the model for everyone」)で、会話を学習に使うかどうかを利用者が選ぶ形になっています。社員が個人で登録したアカウントを仕事に使っている場合は、会社の契約と同じ扱いにはなりません。まずは、社内で誰が、どの契約のアカウントでAIを使っているかを確かめるところから始めます。

03仕事用のアカウントで使っているかを確かめる

マイクロソフトは、Microsoft 365 Copilot Chatについて、職場または学校のアカウントでサインインしているときに「エンタープライズデータ保護」が自動で適用されると説明しています。この保護のもとでは、入力した内容やAIの答えは、AIの土台となるモデルの学習に使われないとしています。

Googleも、Google Workspaceの対象となる契約でGeminiを使う場合、許可なく、会社の外でAIの学習に使うことはないと案内しています。どちらも、会社が契約したアカウントで使っていることが前提です。同じパソコンで個人のアカウントに切り替えて使えば、案内されている保護の対象から外れることがあります。

04規約で確かめたい4つのこと

1つ目は、入力した内容とAIの答えが学習に使われるかどうか、そしてそれが初めからの設定なのか、管理者が選ぶものなのかです。2つ目は、どの契約やアカウントが対象かです。同じサービス名でも、契約の種類によって扱いが違うことがあります。

3つ目は、データがどのくらいの期間、どこに保存されるかです。「学習に使わない」と「保存しない」は別のことです。たとえばOpenAIは、個人向けの一時チャットでも、安全のために最大30日間保存することがあると説明しています。法人向けでは、保存期間を会社が決められる場合もあります。4つ目は、規約が変わったときにどう知らされるかです。案内のページは更新されることがあるため、契約の前と、その後も年に一度くらいは読み直しておくと安心です。

05規約を確かめたうえで、社内の決まりも作る

法人向けの契約で学習に使われない設定になっていても、入力した情報が社外のサービスに送られることに変わりはありません。会社として、AIに入れてよい情報と入れない情報の区別を決めておくことが大切です。たとえば、個人情報や契約書の全文は入れない、といった決まりです。

社外に出せない情報を多く扱う場合は、社内の機械でAIを動かす方法を考える余地もあります。ただ、多くの会社では、法人向けのクラウドのAIを、規約を確かめて正しく設定して使うことで十分な場合もあります。個人情報の扱いや契約の内容について判断に迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。

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