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社内のWi-Fiは、一度つながると設定を見返す機会がほとんどありません。総務省が公開している資料をもとに、暗号の方式とパスワード、来客用と社員用の分け方、効き目が薄いとされる設定、機器の入れ替えの目安まで、見直すときに確かめたいことを順に整理します。
01つながっていても、安全とは限らない
総務省の情報通信白書(令和5年版)は、適切な対策をとらなければ、無線LAN(Wi-Fi)の機器を踏み台にした攻撃や情報の盗み取りが行われるおそれがある、と書いています。また、総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、接続用のパスワードが知られると、第三者が社内の無線LANにつながってしまうことがあると説明しています。
Wi-Fiは、つながって使えていれば問題がないように見えます。けれども、何年も前に業者や前任者が設定したまま、どんな設定になっているか誰も知らない、という会社は少なくありません。まずは、ルーターやアクセスポイント(Wi-Fiの電波を出す機器)の設定画面を開ける人が社内にいるか、いなければ設定した業者に連絡がつくかを確かめるところから始めます。
02暗号の方式とパスワードを確かめる
国民のためのサイバーセキュリティサイトは、2026年10月時点で、暗号の方式にWPA2またはWPA3を使うことを勧め、WPA3のほうがより強い暗号を使えるとしています。古い方式のWEPは短い時間で解かれる方法が見つかっており、使うことは勧めていません。設定画面の「セキュリティ」や「暗号化」の欄に、どの方式が書かれているかを見てください。
接続用のパスワードについて、総務省が2013年に公表した企業向けの手引き「企業等が安心して無線LANを導入・運用するために」は、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせ、できるだけでたらめで長いものにし、おおよそ20文字以上を勧めています。同じサイトは、Wi-Fiの名前(SSID)から推し量れるパスワードにしないよう注意しています。
もう一つ見落としやすいのが、機器の設定画面に入るための管理用のパスワードです。手引きは、買ったときのパスワードは同じメーカーの機器で共通になっているなど、広く知られていることがあるため、長いものに変えるよう書いています。
03来客用と社員用は分けておく
お客様や取引先にWi-Fiを貸すとき、社員と同じWi-Fiにつないでもらうと、社内のパソコンや共有の保存場所と同じ場所に、外の端末が入ることになります。2013年の手引きは、使う人の種類ごとにWi-Fiの名前を分け、社内の大切なネットワークとの間で通信を区切る方法を示しています。
総務省が2020年にまとめた資料は、暗号のパスワードを掲示などで公開していると、解読される危険が高まることをはっきり書く、としています。受付や会議室の壁に社員用のパスワードを貼っている場合は、来客用を別に用意して、社員用は貼らないようにするのが一つの考え方です。お使いの機器に来客用を分ける機能があるかは、説明書やメーカーの案内で確かめられます。機器によってできることが違うため、分からない場合は設定した業者に聞くのが確実です。
04効き目が薄いとされている設定
Wi-Fiの名前を周りに見えなくする「ステルス」という設定や、登録した端末だけをつなぐ「MACアドレスフィルタリング」という設定があります。2013年の手引きは、どちらも企業の対策としては効き目が乏しいとしています。見えなくした名前を見つける道具が出回っていること、端末の登録番号は偽れることが理由です。これらを入れているから安心、とは考えないほうがよいということです。
社員が多い会社や、辞めた人の端末を確実に締め出したい会社には、全員で同じパスワードを使うのではなく、一人ずつIDを設けて確かめる方式(WPA2やWPA3のエンタープライズ)があります。国民のためのサイバーセキュリティサイトもこの方式を紹介しています。ただ、準備や管理の手間が増えるため、少人数の事務所であれば、強いパスワードと来客用の分離で足りる場合も多いと考えられます。
05機器の寿命と、年に一度の確かめ
総務省の無線LANのページは、家庭向けの5つのポイントとして、WPA2かWPA3を選ぶこと、推し量られにくいパスワードにすること、メーカーのサポート期限内のルーターを使うこと、ファームウェア(機器を動かすソフト)を最新にすること、設定を定期的に確かめることを挙げています。家庭向けの内容ですが、会社のWi-Fiでもそのまま見直しの目安になります。
年に一度、機器の型番とサポート期限、ファームウェアが最新か、暗号の方式、パスワードを最後に変えた時期を、社内で書き残しておくと、担当者が替わっても引き継げます。古い機器を捨てるときは、2013年の手引きが書くように、設定を初期化して、パスワードなどの情報を消してから手放します。社内に詳しい人がいない場合は、手引きも勧めているとおり、外部の専門の業者に協力を頼むことも考えてください。
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