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防犯カメラと警報装置は何が違うか。「残す」と「知らせる」の役割の分け方

執筆:ミネルバ編集部

防犯カメラを付けたので、夜の事務所はもう安心。そう考えたくなりますが、カメラと警報装置では受け持つ役割が違います。警察や公的な資料をもとに、それぞれが得意なこと、苦手なこと、知らせを受けたあとに誰が動くのかまで含めて、組み合わせ方の考え方を整理します。

01カメラは「残す」、警報装置は「知らせる」

防犯カメラの一番の役割は、起きたことを映像として残すことです。あとから何があったかを確かめたり、警察に相談するときの手がかりにしたりできます。カメラがあること自体が、侵入しようとする人をためらわせる効果も期待できます。

一方で、カメラはふだん、誰かが画面を見ていない限り、異常をその場で教えてはくれません。夜中に侵入されても、気づくのは翌朝、録画を見返したときということがあります。これに対して警報装置は、扉が開いた、人が動いた、窓が割れたといった変化を感じ取り、その瞬間に音や連絡で知らせる機械です。神奈川県警察も、太陽光発電施設の盗難対策として、侵入者を威嚇し、周囲に異常を知らせるために警報装置を付けることを勧めています。

02侵入する側は「時間」と「人目」を嫌う

茨城県警察は、侵入に何分かかったら諦めるかを尋ねた調査の結果を紹介しています。2分以内が約17%、2分から5分が約51%で、侵入口が5分持ちこたえれば、約7割が諦めることになるとしています。警察庁の「住まいる防犯110番」でも、侵入に5分以上かかることを確かめた建物部品を、防犯性能の高い部品として紹介しています。

北海道警察は、犯人は人に見られたり、存在に気づかれたりすることを嫌がると説明しています。大きな音や突然の光は、侵入にかけられる時間を短くし、周りの人目を集めます。カメラが「あとで分かる」仕組みだとすれば、警報装置は「今ここで気づかれる」仕組みです。同じ防犯の機械でも、効き方の時間が違うと考えると分かりやすくなります。

03警報装置の主な種類と、向いている場所

警報装置が異常を感じ取る部品をセンサーといいます。代表的なものは4つです。1つ目は扉や窓に付ける開閉センサーで、閉まっているはずの扉が開くと反応します。2つ目は人の体から出る熱を感じ取る人感センサーで、通路や部屋の中の動きに反応します。3つ目は窓ガラスが割れる振動や音に反応するガラス破壊センサー、4つ目は向かい合った機器のあいだを見えない光で結び、遮られると反応するセンサーで、敷地の境目などに使われます。

注意したいのは、間違って鳴ることがある点です。警備の会社の解説では、人感センサーは小さな動物や空調の風に反応する場合があり、屋外のセンサーは天気や動物で誤って知らせることがあるとされています。誤報が続くと、鳴っても誰も気にしなくなります。付ける場所は、建物の出入口や窓など、本当に人が通るところから絞り込むのが現実的です。

04知らせを受けたあと、誰が動くのか

警報装置で大切なのは、知らせが届いた先です。大きく分けると、警備会社に知らせが届いて警備員が駆けつける方式と、社長や担当者のスマートフォンなどに直接知らせが届く方式があります。

警備会社が駆けつける方式は、警備業法にもとづいて、都道府県ごとの規則で到着までの時間の基準が決められています。たとえば富山県や山口県の規則では、知らせを受けてから原則25分以内に警備員を現場に到着させられる体制を求めています。夜間や休日も人に任せられる安心がある一方、月々の費用がかかります。

自社で知らせを受ける方式は、費用を抑えやすいのが利点です。その代わり、夜中の2時に知らせが来たとき、誰が受けて、誰が見に行くのか、警察にはいつ連絡するのかを、先に決めておく必要があります。一人で見に行かないことも大切です。カメラの映像をスマートフォンで確かめられれば、本当の侵入か誤報かを、離れた場所から落ち着いて見分ける助けになります。

05自社の場合を考える3つの問い

警察庁の資料によれば、2025年の侵入窃盗のうち、一般の事務所での被害は全体の8.3%でした。住宅だけの問題ではありません。とはいえ、すべての会社に警報装置が要るわけではありません。夜間も人がいる建物や、盗られて困るものをほとんど置いていない事務所では、カメラと鍵の見直しで十分な場合もあります。考えるときは、次の3つを書き出してみてください。1つ目は、夜や休日に、建物に誰もいない時間がどのくらいあるか。2つ目は、侵入されたとき、翌朝気づくのでは困るものがあるか。3つ目は、知らせを受けて動ける人が社内にいるか。この答えが、カメラだけでよいのか、警報装置を足すのか、駆けつけまで人に任せるのかを決める手がかりになります。

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